砂漠の中で一人きり。
そんな人生ならトラブルもシンプルなものだが、これだけ複雑な人の世では、
思わぬところで大小さまざまなトラブルに遭遇する。
そのとき、ほんの少しの知識がなかったばかりに身の破滅を招かぬよう、
正しく知識を身に着ける。こんなとき、あんなとき、どうすればいいのか。
参考になりそうな記事を週刊現代に見つけた。
一人で読むのは勿体ないので引用させて頂く。
-------------------------------------------------------------週刊現代より 引用開始⇓⇓⇓
■自転車で対人事故を起こし、そのまま逃げた
「逃げたままで逮捕されるより、すぐに現場に戻って被害者の救護と通報を行ってください。
自転車は道路交通法上、『軽車両』といって車両の一種。飲酒運転も禁止ですし、事故を
起こして逃げれば『業務上過失致死傷罪』(5年以下の懲役もしくは禁錮もしくは100万円以下
の罰金)などが適用される上に、いわゆる『轢き逃げ』になります。
車両の運転者や同乗者には、事故の際に『救護義務』があって、轢かれた人を助けなけれ
ば罪が重くなるのです。道交法の『救護措置義務違反』(3月以下の懲役または5万円以下
の罰金)がこれに当たります。また、通報しなければ『報告義務違反』にも問われます。
とっさに、高額な賠償金が払えないと思って逃げる人もいるかもしれませんが、自動車
保険などの付帯で自転車の個人賠償責任保険もついているものが多くあり、それほど高い
掛け金ではありません。3・11以降、自転車通勤が増えているようですが、乗る機会の多い
人は保険に入っていれば、カネの心配で逃げて罪を重くすることもないでしょう」
(桐生貴央弁護士)
■財布を拾ったら中身が500円だけだったので、
そのまま持っていた
「拾った場所によって、問われる罪が変わります。
管理者のいる、デパートの中や駅の構内などで拾った場合、財布は店や駅の管理下にある
と考えられて窃盗罪に、河川敷や公道上などで拾った場合は遺失物等横領罪にあたります。
いずれも、着服した金額が1円であっても罪は成立するのですが、実際には、500円程度と
額が少ない場合は書類送検もされない微罪処分になる可能性が大です。ただ中身が500円
でも財布が5万円ということもあるので注意が必要でしょう。
また、1週間も2週間も手元に置いてから届け出ると、『いったん自分のものにしていたのだ
から、すでに犯罪は成立している。これは届け出ではなく自首だ』と受け止められる可能性も
ある。拾ったら速やかに警察に届けることです」(岡林俊夫弁護士)
「忙しくて届け出るのも面倒だと思う方は、そもそも財布を拾わなければ何の問題も起きませ
ん。落とし物を見たら拾わなければならない、という法律はないのですから」(桐生弁護士)
■スピード違反でつかまった。納得できない
「これは難しいですね。オービス(自動速度違反取締装置)のカメラに映っている場合もある
でしょうし、速度も計測されている。証拠を突きつけられたときに、言い逃れは出来ません
からね。わざわざ裁判をして、速度計の不備などを主張してもまず勝てません。
費用を考えれば、納得できなくても仕方ないでしょう」(岡林弁護士)
職務質問は拒否していい
■いきなり警察に職務質問された
「職務質問は任意ですので、応じる必要はありません。任意同行を求められた場合も
同じです。
ただ、警察官は不審でもない人に職務質問をすることはしません。拒否するとますます
『アヤシイ』と思われ、警察官は無線で応援を頼みます。 すると、やはり職務質問に応じ
なかった『のりピーの元ダンナ』のように、あっという間に4〜5人の警察官に囲まれます。
『クスリでも所持しているんじゃないか』『拳銃でも隠しているんじゃないか』と疑われ
、しつこい職務質問が延々と続く。
そうした状況では、何かのはずみに警察官の身体に触れただけで、公務執行妨害で
逮捕される可能性が大です。
何も非がないのであれば、『職務質問は任意だろう』と生かじりの法律論を振り回す
よりは、不審事由が解消されるよう説明した方が賢明です」(中村勉弁護士)
■痴漢と間違えられた
「やっていない場合、まずは現行犯逮捕をされないことが大切です。
逮捕の前に駅員室などで相手の女性との話し合いが持たれると思うのですが、たとえば、
電車の中で自分はこういう位置関係にいて、痴漢ができる状況ではなかったなどと冷静に
証明をする必要があるでしょう。もし感情的な言い争いになった場合でも、『おまえのような
女に興味はない』などと、相手の人格を攻撃することは得策ではありません。
逮捕前でも、駅に弁護士を呼ぶことも有効です。
逮捕されてしまった場合、罪状は都道府県の迷惑防止条例違反になることが大半
でしょうが、ひどいケースだと強制わいせつとされる場合もあります。
最近、東京・品川区の路上で小学生の女児のスカートをめくってお尻を触ったとして逮捕
されたカナダ人の男が、取り調べに対して『スカートはめくったがお尻は触っていない』と
ややこしい主張をしてスポーツ紙に取り上げられました。スカートめくりは軽犯罪法違反か
東京都の迷惑防止条例違反ですが、それ以上となってくると強制わいせつとして起訴される
場合もある。我々の間では下着に手を入れることが、強制わいせつになるかならないかの
どのように石積みを修復する
境界線になっています。
ただ、やっていないならこんな言い訳をする意味はありません。逮捕・勾留されても、
とにかく否定し続けることです」(岡林弁護士)
「もし痴漢をやっていないのに、逮捕されただけで会社を解雇されるようなことがあれば、
のちに解雇を撤回してもらうことができます。これについても弁護士に相談するとよい
でしょう」(大坪和敏弁護士)
■交通事故を目撃したが、面倒くさいので帰宅した
「通りがかりの人には法的な通報義務はありません。ただ、道義上の問題は生じることに
なるでしょう」(桐生弁護士)
ヤミ金には返さなくていい
■中学時代の親友がヤクザに。付き合っていいか
「全都道府県で暴力団排除条例が制定されましたが、友人として付き合っただけでは
罰せられません。
ただ、暴力団に対する締め付けは金融機関を中心に強くなっていて、彼らは口座を作る
ことができない。
ヤクザの友人に頼まれて、自分の名前を使って口座を開設して提供すると、金融機関
から詐欺罪で訴えられてしまいます。
さらに金融機関が持っているデータベースは非常に詳細なもので、警察がヤクザと密接
に交際している人物の情報を提供したり、金融機関から『この人物は暴力団の周辺者か
否か』と照会したりしています。知らない間に金融機関から共生者と認定され、自分も
口座開設などができなくなる恐れもあります。
かつての親友といえども、ヤクザとの付き合いはくれぐれも慎重に行うべきでしょう」
(中村弁護士)
■ヤクザにからまれた
「すぐに逃げることです。最近は彼らも賢いので、よほどダメなチンピラ以外は、むやみに
殴ってきたりはしないことが多い。何かされたらすぐに警察に訴え出てください」(桐生弁護士)
■ヤクザにからまれてカネを渡した
「ヤクザだろうがなんだろうが、不当に金員を要求されたら断ることです。
脅迫されて払ってしまった場合は、『脅迫による取り消し』として返還を求めて裁判で争う
ことができますが、ヤクザを相手に裁判を起こすことは精神的なハードルが高いかもしれ
ない。
飲食店のみかじめ料のようにたびたび脅し取られている場合は、必ず被害届を出して
ください。暴排条例の関係で、『暴力団に資金を提供した』と受け取られると、被害者なのに
不利益を被る恐れもある。届けを出せば『資金提供ではなく、脅し取られたのです』と言え
ます」(中村弁護士)
■ヤミ金からカネを借りた
「ヤミ金から借りたら返さない。そもそも違法なので返す義務はないのです。彼らはひどい
いやがらせをしますが、実際に目の前に現れて暴力を振るうようなことはまずありません。
心を強く持って、無視するのが一番です」(桐生弁護士)
■ヤミ金からカネを借りていることが会社にバレた
「銀行員や経理担当者など、特におカネを管理する職務のために就業規則に定められて
いない限り、通常ならばバレても、クビになったり減俸にされるいわれはありません。
ただし、ギャンブルや借金でクビが回らなくなりヤミ金からカネを借りたということであれば、
そういう生活態度が元で、なんらかの処分を受ける可能性があります」(大坪弁護士)
■ネットの風評被害で店が潰れそうだ
「法律ですぐに経営状態を改善することはできませんが、ネット上で事実無根のひどいこと
を書かれたら、まずプロバイダに削除依頼をすることです。
訴えてやろうと思ったら相手を特定する必要があります。まずは発信者情報開示請求を
行うこと。これは個人でもできます。
『プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト』(
一式が掲載されていますので、指示に従って書類の空欄を埋め、プロバイダに送ってくださ
い。請求を受けた事業者は書き込んだ相手に連絡を取って、『あなたの情報を開示していい
か』と尋ねます。ダメと言ったらその旨の返事が来るので、いよいよ裁判所に訴え出ます。
相手が特定されれば、店の損害などを算定した上で損害賠償を請求することもできます」
(桐生弁護士)
「ただ、一番困るのは書き込みが海外のサーバーにあるケースです。削除要請も英語や
中国語でしなくてはいけないかもしれません。そもそも管理者の得体も知れない。日本の
法令で戦うには限界もあるのです」(小川義龍弁護士)
■ネットで悪口を書いたことがバレた
「バレて文句を言われたら、すぐに悪口を削除して、謝ることです。そもそも悪口を書いたら、
法的にはもう逃げ場はありません。
特にネットでは元の書き込みを削除しても記録(キャッシュ)が残ってしまうことがあり、
隠し通すことはできないのです」(桐生弁護士)
■ネットで悪口を書かれた
「対応は店の場合と同じですが、個人への悪口の場合は損害賠償といっても請求できる
金額もたいしたことがないので、本当に法的措置を取るか検討しなければならないでしょう」
(大坪弁護士)
「酔っていた」は認められない
■店の対応がなっていなかったので、
それをブログに書いた
「食べログなどのような評価サイトでも『最悪でした、二度と行きません』みたいな書き込み
を見かけることがありますが、不特定多数の人に事実を摘示して、社会的な評価を下げれ
ば『名誉毀損』に当たります。
ただし、報道のように公益性がある、つまり公の利益のために行った場合は違法行為
にはなりません。名誉毀損を定めた刑法230条の2で明記されている。訴えられたら、
『これはみんなのために書いたのだ』と主張する手もあります。
地下を行う方法
あと、『対応が悪い』とか『まずい』というのは、主観の問題ですよね。『事実』を指摘した
わけではないので、そもそも名誉を毀損していないとも言える。もちろん、あまりにひどい
書きぶりでなじると、従業員や店主個人に対する侮辱罪となりますので、注意してください」
(桐生弁護士)
■引っ越してビデオの返却を忘れていたら
膨大な請求書が届いた
「応じる必要はありません。納得のいかない高額な損害賠償請求を業者からされることは
考えられますが、消費者契約法の第9条に、『消費者が支払う損害賠償の額を一定限度
しか認めず、その限度を超えたものはすべて無効』とある。要するに、常識的な範囲内で
支払えばいいのです。
常識的な範囲内とは、業者が被る実損の範囲、ということです。レンタルビデオの返却
忘れの場合は、他の客にそのビデオを貸していた場合に得られたはずのレンタル料の
金額だと思ってもらって構いません」(小川弁護士)
■酔って駅員を押した
「酔っていてもいなくても、駅員を押し倒してケガを負わせたら傷害罪、相手がケガをして
いなくても暴行罪に問われます。駅員は間違いなく警察を呼び、被害届を出すでしょう。
鉄道事業者は駅や電車内での暴力追放運動を行っています。駅員に対する暴力が増加
傾向にあることもあって、暴力に対して毅然とした対応をしようと方針を固めているようです。
ですから、加害者がどれだけ反省して謝罪しようが、彼らは被害届を取り下げず、示談にも
応じません。加害者は自動的に書類送検され、罰金刑に処せられることになる可能性が大
です。正直、弁護には苦労する事案です」(中村弁護士)
■酔って警察官に罵声を浴びせた
「暴力は当然NGだし、触れても公務執行妨害です。罵声は『公務員を畏怖させる程度の
害悪の告知』をすると脅迫による公務執行妨害に当たりますが、普通は恐怖を感じる
警察官はいないでしょうから逮捕されることはまずないと思います。
覚えておいてほしいのは、何をしたときでも『酔っていた』というのは言い訳にならないこと。
たとえば、酔うと暴力的になると自覚していながら、酒を飲んで人を殴ると、『原因において
自由な行為』といって、飲酒した時点で殴るつもりだったとされ、責任を問われるのです」
(桐生弁護士)
■酔って飲み屋でケンカをしてグラスを割った
「器物損壊になる可能性はあります。他の方や自分がケガをしないように、掃除をして謝る
ことですね。器物損壊は、ものを二度と使えない状態にしたら成立しますので、グラスに
おしっこをしても該当します。いずれにせよ、酔うことは努めて自重しないといけません。
弁償も常識的に見て妥当な額なら、裁判するより、お店と相談して払ったほうがいい
でしょう」(岡林弁護士)
■スナックの請求が高すぎて納得できない
「公序良俗違反を定めた民法90条に『暴利をむさぼるような契約は無効』と規定されて
います。たとえば500円のビールを10万円で売るなど、極端なぼったくりは暴利行為と
して無効とされます。
『カネを払わないなら、飲ませた酒を返せ!』と言われても、返す必要はありません。
民法708条の不法原因給付といって、不当な暴利行為や公序良俗に反する行為でもた
らされた利益は相手に返す必要がないという法律があります。
もし脅されてカネを払わないと逃げられないような状況なら、とりあえず支払いをする
しかない。その場合は、最近の携帯やスマホに録音機能があるので、会話を隠し録り
しておき、すぐ警察に駆け込むことです」(小川弁護士)
■風俗に行ったら病気をうつされた
「本当に病気をうつされたということであれば、病気の治療代、治療に要した諸雑費、さらに
慰謝料などを、相手をした女性と風俗店にそれぞれ損害賠償請求することはできます。
問題は、本当にその風俗店でうつされたと証明できるかどうかです。これはかなり難しい。
女性が『私がうつしました』と認めてくれることもないでしょう。
まあ、風俗で遊ぶときは、病気をもらうリスク含みで遊ばなくてはいけないと思います」
(小川弁護士)
■木が伸びて隣家の敷地に入り、切れと言われた
「民法233条の1には、まさに『隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の
所有者に、その枝を切除させることができる』とあり、基本的に切らなければなりません。
ちなみに同条2には『根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる』とあり、
隣家の人が自分の家の竹から発生した竹の子を採っても文句は言えません」
(桐生弁護士)
穏便に済ませる方法
■他人の家の前で犬がウンチをし、そのままにした
「いちおう軽犯罪法違反に該当します。被害を警察に訴えられれば、注意はされますし、
悪質でしょっちゅうそういうことがあるということであれば、勾留あるいは科料という制裁も
あります。まあ、1度や2度なら、まず注意されて終わりでしょう」(大坪弁護士)
■隣家でケンカが絶えず、うるさくて仕方ないが
怖くて抗議できない
「音の大小に関係なく、一般の人が不快に感じる騒音に対しては、『やめてくれ』と請求
できます。
怖くて抗議にいけない場合、マンションなら管理人や管理会社に頼むのがスムーズか
もしれません。借家なら大家さんを通じて言ってもらう手もあります。
絶対にやってはいけないのは、ヤクザや『交渉ならなんでも引き受けます』という人を
レンガを使用して、パティオを構築する方法を見つける
雇って交渉させること。およそ人と人とのトラブルの示談交渉全般をおカネを払って依頼
できるのは、原則として弁護士だけです。他の人が示談交渉の代行をすると弁護士法
違反となります」(小川弁護士)
■上司の不正を知ってしまったらどうしたらいいか
「法的には、知っていて黙っていた、というだけなら罪には問われませんが、発覚したあと
社会的な評価が下がりますし、会社から詐欺の共犯として告発されたり、逃げるのを助け
たとか隠ぺい工作に協力したとなれば犯人隠蔵罪になる恐れもあります。
今では公益通報者保護制度といって、内部告発者を守る制度もあります。会社から
不利益を受けることを恐れないで通報、告発できるよう、告発者が不利益を受けたら
会社が罰せられることとなっている。
でも、まずは不正をしている上司の上役で、信頼できる人に相談するのが一番でしょう」
(岡林弁護士)
■納入業者から接待を受けたが大丈夫か
「公務員でなければ、まったく問題ありません。ただし、役員などが明らかに品質の落ちる
品物を、接待を受けた業者から購入したりすれば、会社の利益を害することになるので、
解任されたり損害賠償請求されるでしょうね」(桐生弁護士)
■両親から現金1000万円をもらったが申告していない
「基本的に贈与は年間110万円が基礎控除分で、それ以上は贈与税が課税されるのが
原則なので、脱税をしている状態になります。
脱税は犯罪ですが、これぐらいの金額の脱税で刑務所に行くことはまずありません。
重い追徴課税を課せられて、せっかくの贈与が3分の1以下くらいになってしまう程度
でしょう。
贈与税に限らず、税金の申告はちゃんとやっておいたほうがいいと思います。特に、
最近の税務署はフェイスブックやツイッターを見ていますから、『親から1000万円もらって
ラッキー』などと書いていると、税務調査をされたときは一発で終わりです。もちろん全員の
SNSをチェックしているわけではありませんが、『こいつは怪しい』と思った対象の書き込み
はちゃんとチェックしていると思います」(小川弁護士)
■会社の歓送迎会のカラオケで、酔った勢いで思い切って女性の肩を抱いた
「『酒に酔った』というのは言い訳になりません。女性が不快に思えば立派なセクハラです。
茶化さず、開き直らず、真摯に相手に謝ることです。
男女雇用機会均等法などによって、会社にもセクハラを防止し、発生時には厳正に対処
する義務がありますので、なあなあでは絶対に済まされない問題なのです」(桐生弁護士)
■同じく無意識のうちにそういうことになっていた
「まったく言い訳にならないので前と同じです」(桐生弁護士)
■カラオケで部下の歌を下手と批判したら、怒って帰った
「通常のダメだしならば問題にならないでしょうが、部下の人間性を全否定するような批判
だと、名誉毀損になる可能性もあります。下手な歌い手の場合でも、一曲くらい我慢する
のが大人の対応ではないですか。
ただ、いつまでもマイクを離さず歌い続けるような場合などは、誰かがその人を舞台から
下ろさなくてはなりませんよね。その際も、なるべく優しく声をかけて、穏便に済ませること
です」(岡林弁護士)
食事代くらい賭けてもいい
■領収書の金額を改竄して会社に出したのがバレた
「これは二重の意味で犯罪になります。たとえば、1万円しか払っていないのに、ゼロを
一つ増やして10万円に書き直したら、私文書変造罪。さらに、それを会社に出せば、
同行使罪と9万円を会社からだまし取る詐欺罪になります。
これは本格的な犯罪ですから、逮捕されてもおかしくありません。もちろん、懲戒解雇
などの懲戒事由にもなると思います。もうふんだり蹴ったりですね。
犯罪になるかどうかに金額の多寡は関係ありません。とにかく、金額を書き換えたら
犯罪で、言い訳は利きません」(小川弁護士)
■領収書の使用理由欄にウソを書いたのがバレた
「金額を変えなくても、たとえばプライベートな会食の領収書を会社に請求した場合、
会社がそれを認めていなければ、詐欺罪とされる可能性があります。
実際問題、警察は被害届が出たり、刑事告訴されなければ、こういう犯罪はまずわかり
ません。社内で話がまとまってしまえば、基本的に警察はそこには介入しないことも多い
のです。
ですから、もしこういうことをやってしまった場合は、まず会社に正直に告白して、全額
弁償し、社内だけで穏便に済むように十分に話し合うべきだと思います」(小川弁護士)
■部下にパワハラで会社に告発された
「なぜ、そのような事態になったのか、具体的に第三者が理解できるような形で、伝えられ
るようにしなければなりません。感情的な物言いになってしまってはダメです。部下のどんな行為に対して高圧的な言動をしたのか。自分の態度はその部下だけでなく誰に対しても
平等であり、今後の信頼関係の回復には、このようなことを考えている、といったことを
語りましょう。
一般的に、訴える側は自分に非がないと思っているでしょうから、証拠も交えて、部下
思いの上司を心から演じるくらいの気構えが必要かもしれません」(岡林弁護士)
■賭け麻雀を安いレートでやっているが大丈夫か
「たとえば、食事をおごる程度のことを賭けることは罪にはならないので、考え方としては、
その程度のおカネを賭けても警察は実際には立件しないでしょう。
古い判例では、そもそも『おカネを賭けてはダメだ』ということになってはいるのですが、
学説的にはバランスとして、1万〜2万円程度のものを賭けても賭博的なものには当たら
ない、という見解が有力だと思います。
普通の人が一晩で使うような金額でないケース、たとえば、100万円を超えたら完全に
ダメです。芸能人や会社経営者など、生活水準によっては微妙ですが、やはり10万円を
超えたらダメでしょう。いつの間にか高額になるのが賭け事。金銭を賭けるのはやめた
ほうがいい」(大坪弁護士)
■ゴルフでいわゆるオリンピックをしているが大丈夫か
「4人1組でグリーンオンしたところから、遠くの人がカップインするとより高いポイントが
もらえる賭けですね。これも違法賭博かどうかは金額によります。食事程度の金額なら、
麻雀同様問題にはならないでしょう。法律的には、『一時の娯楽に供するものを賭けたとき
は、賭博したものに当たらない』となっています。一回の食事は『一時の娯楽に供するもの』
に含まれますので、そこから考えて『数万円ぐらいの現金だったらいい』という考え方も
あります。金額的にはやはり10万円ぐらいが境目になるでしょう」(大坪弁護士)
「女房も君を訴えられる」と反撃
■息子のカンニングがバレた
「学内の期末試験などなら怒られるだけ。受験なら落とされるだけで、普通は法律の出番
はありません。
昨年、京都大学の入試であった、問題を携帯で流出させて、ネットで解答を募った事件の
ようなことを起こせば偽計業務妨害に問われることもありますが、他人の解答用紙をのぞ
いたというような場合はそれには当たりません。
息子はカンニングなどしていないと信じるなら、法廷闘争することもできるでしょうが、
5年も6年もかかる間に子供は成長してしまう。現実的ではないと思います」(桐生弁護士)
■女性と不倫交際し、妻にバラされたくなければ
カネを払えと脅された
「簡単な反撃法は、『そういえばうちの女房も君に損害賠償請求できるんだよなあ』という
こと(笑)。カネの話にしてもややこしいだけで得はないのだ、と突きつけることでしょう。
ただ、実際に損害賠償請求する、となったらやはり奥さんに事実を話さなければならず、
離婚話になったり自分も慰謝料を要求されたりとイバラの道が待っている。不倫の上に
恐喝してきた相手にカネを払うのと、実際に傷つけた妻にカネを払うのと、どちらがいいか。
自分で選択するしかないでしょう」(桐生弁護士)
■夫の浮気を疑って携帯をチェックしたのがバレた
「これだけで法的に訴えられることはないでしょうね。もし浮気しているなら、チェックした
側よりも、変なメールや画像が出てきた夫のほうが困るでしょう。
ただ、勝手に携帯をチェックするほど俺を信じられないのか、と夫との関係がこじれて
しまうことは覚悟するしかない。法律でどうにかなるものではありません。基本は人と人と
のコミュニケーションで問題を解決するべきでしょう」(岡林弁護士)
「ちなみに、最近のスマートフォン(スマホ)などはロックがかかっていて、暗証番号を
入れないと開かないものもあります。こうした番号を知っていて、持ち主ではないのに
ロックを解除すること自体は、今のところ違法とはされていません。ただ、会員制のサイト
などに他人のID、パスワードでログインすると不正アクセスとして刑事罰の対象になります
ので注意してください」(桐生弁護士)
■スマホをなくした
「個人的な用途でのみ使用しているスマホなら、すぐに通信会社に連絡して止めてもらう
だけでまず安心できるかもしれません。
しかし、営業職の方などで、取引先や顧客の大量の個人情報を入れているスマホなら
話は別。住所や氏名、購入した商品などを、万が一流出させたとなると、その内容に応じて
数千万から何億円もの損害賠償を自分個人と会社に請求されることがあります。すぐに
会社に報告し、いちはやく謝罪し、原因究明を真摯に行うことで、社会的評価が下がること
を最小限に抑えられるでしょう」(桐生弁護士)
■病院で手術をしたが、失敗。訴えたい
「いまは病院のほうでもカルテをすぐ出してくれるケースが多いので、患者・遺族の方でも
対応してもらえます。ただ、弁護士としては証拠保全という形で、改竄される前に裁判所の
命令でカルテを押さえたいのが本音です。『訴えたい』と考えたら、自分で動かず弁護士に
相談したほうがいいと思います」(大坪弁護士)
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ほんのちょっとの知恵やアドバイスがあれば…。
そういうことだらけ。知ると知らぬとじゃ大違い。
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